学生が今後のキャリア形成を考えるうえでも、大学での学びを実社会や実務の現場と結びつけて捉えることの重要性が高まる中、このたび当社は、中央大学国際経営学部 楊ゼミの企業訪問を受け入れました。
本取り組みは、学生が実務の現場に触れながら、マーケティングやマーケティングリサーチに対する理解を深めるとともに、大学で学ぶ理論や分析の視点が実際の意思決定や課題設定とどのようにつながっているのかを考えることを目的として実施されたものです。
今回は、グループ会社として人材支援事業を展開する株式会社ネオパートナーズの知見も活かしながら、中央大学国際経営学部 楊ゼミの皆さまとともに、理論と実務をつなぐ学びの機会となりました。
1.これまでの連携から生まれた、実務と学術をつなぐ機会
当社と中央大学とは、これまでもマーケティング調査および学術調査の面で接点があり、アカデミックな視点と実務の現場をどのように接続できるかについて、対話を重ねてきました。
今回の企業訪問は、そうしたこれまでのやり取りを踏まえ、大学で学ぶマーケティングの理論や分析の視点と、実務における意思決定や課題設定とのつながりを、学生が具体的に考える機会として実現したものです。
大学で学ぶ理論や分析の枠組みは重要ですが、実際のマーケティング課題に向き合う際には、それらを踏まえつつも個別の状況に応じて課題を整理し、制約条件のもとで判断していくことが求められます。
データも、そのままで答えを示すものではなく、仮説の立て方や解釈の仕方によって、意思決定につながる示唆となります。
また、企業が直面する課題は一つとして同じものではなく、理論を知ることと、それを現場で活用することの間には一定の距離があります。
その距離を少しでも体感し、理論と実務の接点を具体的に考えてもらうことが、今回の訪問の大きなテーマとなりました。
2.中央大学国際経営学部 楊川ゼミについて
当日は、中央大学国際経営学部「専門演習Ⅰ(楊ゼミ)」を担当する楊川先生と、2年生のゼミ生13名の皆さまにご参加いただきました。
はじめに、ゼミ長の橋本さんより学生を代表して挨拶があり、大学での学びを実務の現場と結びつけて理解したいという、今回の企業訪問の趣旨が共有されました。
楊ゼミでは、制度や規制のあり方が市場構造や企業行動、消費者の意思決定に与える影響を出発点としながら、企業戦略やマーケティングの実務へと議論を広げています。
航空・エネルギー・水産などの産業を題材に、企業が市場構造や需要動向をどのように捉え、顧客ニーズを踏まえて戦略を考えるのかを学んでおり、今回の企業訪問も、そうした大学での学びを実務の視点と結びつけて考える機会となりました。
3.当日のプログラム ― 実務の思考プロセスに触れる
①当社事業のご紹介
まず、当社の事業内容についてご説明しました。
当社では、マーケティングの一部にとどまらず、課題整理から調査設計、分析、施策提案までを一気通貫で支援する「マーケティング総合支援」を行っています。
その中で大切にしているのは、手法ありきではなく、常にクライアントの課題や事業の方向性を踏まえて考える視点です。
説明では、どのような思考プロセスで案件に向き合い、調査や分析を意思決定につなげていくのかについても紹介がありました。
学生にとっては、大学で学ぶマーケティングの理論や分析の枠組みが、実務の現場でどのように活かされているのかを具体的に理解する機会となりました。
②「マーケティングリサーチとは何か」― 事業の要にあるもの
続いて、マーケティングリサーチ部門の部長より、「マーケティングリサーチの重要性」をテーマに講義を実施しました。
当社の事業の中核を担うマーケティングリサーチは、単なるデータ収集ではありません。
企業の意思決定を支える“土台”となる機能です。
講義では、理論的な枠組みだけでなく、
・現場で起こる想定外の事象
・クライアントとの合意形成の難しさ
・数字の裏側にある生活者の感情をどう読み解くか
・理想論と実務のバランス
といった、日々の業務で直面するリアルな話が率直に語られました。
マーケティングは華やかなイメージを持たれることもありますが、マーケティングの実務が、仮説を立て、検証し、必要に応じて軌道修正を重ねながら進められていくプロセスであることについても説明があり、学生にとって理論と実務の違いを具体的に考える機会となりました。
社員にとっても改めて現場の本質を考えさせられる内容であり、「マーケティングリサーチの仕事の本質とは何か」を見つめ直す機会となりました。
学生の皆さんもメモを取りながら耳を傾けており、講義内容を自分たちの学びと結びつけながら受け止めている様子が見られました。
③実践ワーク ― 調査設計を体験する
後半は、実際に企業様からいただいたご相談内容をもとに、「どのような調査を設計すべきか」を考えるワークを実施しました。
テーマに対して、
・どのような課題が想定されるか
・何を明らかにする必要があるのか
・そのためにどのような調査手法が適切か
をグループごとに議論を行いました。
30分程度という短い時間でしたが、各グループで活発な意見交換が行われ、それぞれ異なる視点から仮説を立てている様子が見られました。
同じテーマであっても、課題の捉え方や着眼点にはさまざまな違いがあり、マーケティングにおいて課題設定や仮説構築が重要であることを考える機会にもなりました。なお、今回のワークは、実際に企業に与えられるテーマで、当日限りで完結するものではなく、大学での課題として継続的に取り組むことを前提とした内容となっています。
今後はゼミにおいて、このテーマをプロジェクトとしてさらに掘り下げ、大学で学ぶ理論と、制約条件のもとでの実務上の課題設定の両面から継続して検討していく予定です。
▼大学側から見た今回の企業訪問
今回の企業訪問について、学生からはさまざまな感想が寄せられました。
「マーケティングには唯一の正解があるわけではなく、実務では“正しい答え”を探すこと以上に、状況に応じて意思決定していくことが重要だと感じた」といった声を頂きました。
また、大学で学ぶSTPや4Pなどのフレームワークについても、実際の現場では教科書どおりの順序や形でそのまま使われるとは限らず、個別の状況や制約条件を踏まえて考える必要があることを学ぶ機会となったようです。
さらに、マーケティングリサーチについても、
「調査そのものが目的ではなく、どのような意思決定に活用するのかを明確にすることが重要であり、リサーチは使われて初めて意味を持つ」
という点が印象に残ったという声がありました。
今回の企業訪問を通じて、学生の皆さんは、マーケティングリサーチが単なる分析や調査ではなく、企業の意思決定を支える実践的な仕事であることを学ぶ機会となったようです。
4.理論を“使える力”へと変えるために
今回の企業訪問を通じて、大学で学ぶ理論や分析の枠組みと、実務の現場で求められる判断や対応との間には一定の距離がある一方で、その両者を結びつけて考えること自体が、学びを深めるうえで重要であることが改めて共有されました。
大学で学ぶマーケティング理論は、物事を構造的に捉える視点を養うものです。
一方、実務の現場では、そうした理論や枠組みを踏まえつつ、個別の状況や制約条件に応じて課題を整理し、意思決定につなげていくことが求められます。
たとえば、現場では次のような力が重要になります。
・曖昧な課題を整理し、言語化する力
・仮説を立て、検証を重ねながら考えを深める力
・多様な意見や立場を踏まえて調整する力
・自ら考え、提案につなげていく力
これらは、理論的な学びに加えて、実務に触れながら少しずつ磨かれていく力でもあります。
今回の機会が、学生の皆さんにとって、「知識を学ぶ」ことから一歩進んで、「知識をどのように使うか」という視点へと理解を深める一助となることを願っております。
また、今回の企業訪問は、学生の皆さんにとって、マーケティングやマーケティングリサーチの実務を具体的に知る機会にもなりました。
大学で学ぶ内容を、実際の仕事の流れや課題設定、意思決定の場面と結びつけて理解することは、学びを深めるうえでも重要です。
また、そうした実務への理解は、将来の進路や働き方を考える際の一つの手がかりにもなります。
5. 将来の方向性やキャリア形成を考えるきっかけ
今回の取り組みを通じて、学生の皆さんが大学での学びと実務との接点をより具体的に捉える機会となったのであれば、大変意義深く感じております。
理論的な学びを、実際の課題設定や意思決定の場面と結びつけて理解することは、学びを深めるうえでも重要です。
今回の企業訪問が、学生の皆さんにとって、実務への理解を深めるとともに、自らの学びや将来の方向性、キャリア形成について考える一つの契機となれば、大変意義深い取り組みであったと感じております。
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